【ニホンザルとオランウータンの特殊造形】


ニホンザルとオランウータンの頭部の彫刻作品を制作しました。

今回はその写真の一部と、製作工程について簡単にご紹介します。

まず粘土で原型を彫刻し、石膏等でメス型を作ります。着色したシリコンゴム等で成型した後、さらに色を重ねてペイントしていきます。数種類の毛を植毛していき、スタイリングします。ニホンザルの方は毛にもカラーを施しました。オランウータンの目には樹脂で作った義眼をはめ込んでいます。

ニホンザルのリアル彫刻, snow monkey sculpture
ニホンザルは温泉に浸かって気持ち良くなっている表情がとても好きなので、あえて目は閉じさせ、ほんの少し口を開けました。また、雪国に住むニホンザルに多い、長めで薄い毛色にしました。
オランウータンの方は目を半開きにし、口を少し開けて尖らせてとぼけた感じの表情にしてみました。また頭部の植毛には隙間を多くとり、寝かせながら1本ずつ植えることでオランウータンらしい毛並みに仕上げました。
どちらもリアルを追求しつつも、怖くなりすぎないように意識して作りました。

オランウータンのリアル彫刻,orangutan sculpture
今回のような制作ではたくさんの写真や資料に目を通すことになるのですが、調べていくうちに新しい発見があったりします。例えば、ニホンザルは地球最北に住むサルで『snow monkey』と呼ばれているだとか、オランウータンの生息地は東南アジアのほんのわずかな地域しか残っていないだとか・・・。作りながら対象への理解がさらに深まる感じです。最終的にそれらが作品に反映できていれば良いのですが、とにかくニホンザルもオランウータンもより一層好きになりました。